反差別ネットワークニュース[No.2]を発行しました!

当ネットワークでは、不定期に相模原市におけるヘイトスピーチや条例の状況などを伝えるニュースペーパーを発行しています。
その第2号が完成しました。
ぜひご覧ください!
※リンクからダウンロード頂けます。

反差別ネットニュース[No.2]PDF


※[No.1]は以下をご覧ください。
反差別ネットワークニュース [No.1]を発行しました!



相模原市に
ヘイトスピーチを禁止し、
あらゆる差別を許さない反差別条例の早期制定を!

反差別ネットワークニュース No.2  2020.11.28

発行:反差別相模原市民ネットワーク(発行責任者:田中俊策 ☎090・1458・6761)


「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の効果

 2019年12月、川崎市は「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」(川崎モデル)を制定しました。この条例は、ヘイトスピーチ解消法(2016年制定)の実効性を高めるため、罰則を科してヘイトスピーチを「犯罪」とみなした先進的な条例です。川崎市では、この条例制定により、これまで街頭で叫ばれていた「〇〇人を殺せ」などといった禁止条項にあたる明確な言動は行われないようになりました。

相模原市になぜ反差別条例が必要か

 相模原市では2016年に戦後最悪のヘイトクライムである「津久井やまゆり園事件」が起きました。インターネット上では、事件を賛美するコメントと共に「犯人は○○人(外国人)」といったデマが今も書き込まれ、拡散されています。
 2018年3月には、日本第一党が相模大野駅前の公共施設で開いた政治集会にて、桜井誠党首が「シナ人、朝鮮人は日本に対してやりたい放題」「ヘイトスピーチ抑止法や条例ができても、われわれが政権を取ってひっくり返せばいいだけの話。条例と法律を作った人間を必ず木の上からぶら下げる。物理的にこれをやるべきだ」と虐殺を煽動する発言を行いました。
 さらに2019年4月の統一地方選挙においても、日本第一党は相模原市内での選挙街宣で、党首自らが民族差別を煽るヘイトスピーチを繰り返しました。
 ヘイトスピーチを放置することは、社会に差別と暴力を広げ、人々の日常を不安におとしいれます。とりわけ地域に暮らす様々なマイノリティの人々は、日々恐怖の中で暮らし、出自を隠した生活を強いられる上、抗議すらできないほど深刻な人権侵害を受けています。

本村賢太郎相模原市長も明言

 本村相模原市長は2019年6月、「ヘイトスピーチは、人としての尊厳を傷付けるだけでなく、差別意識を助長し、人々に不安感や嫌悪感を与えることにつながりかねない。決して許してはいけない」「罰則などを含め、川崎市に引けを取らないような厳しいものにしたい」と明言されました。
 しかし、現在、「差別と闘う」姿勢を示した相模原市に対して、差別主義者らによる街宣活動や嫌がらせの電話といった攻撃、妨害行動が行われています。
 これに屈してしまえば、相模原市は「差別に加担する地域」とみなされてしまうでしょう。
 私たちは、今こそ本村市長が条例制定の先頭に立ち、相模原市及び市議会が一丸となって「ヘイトスピーチを許さない街」を作り上げていくこと、ヘイトスピーチに罰則規定を設けた「川崎モデル」と同等以上の実効性ある反差別条例を制定することを強く要請します。

相模原市在住・在日コリアンの方の声

◆私は日本で生まれ育ち70年を迎えた在日韓国人2世です。幼いころは「朝鮮人、朝鮮人パカするな、同じ飯食ってとこ違う」とはやされ、いじめにあい、
成人してからは就職差別、韓国人を理由にアパートも借りられず、身をもって差別を経験しました。残念なことに娘が同じ差別を経験しています。根本的に今も何も変わっていないのです。
 相模原においても心無い人たちは「あっちの人(韓国人)は乱暴だ」「ニンニク臭い」などと陰口を言っています。また、相模原の少なくない在日コリアンの人達は、謂れのない偏見差別を経験し、仕方なく「日本名」で暮らしています。
 昨今、ヘイトスピーチ「ゴキブリども!」「韓国人は国へ帰れ!」と根拠なく叫ぶ人達を知りました。怖いことです。娘や孫たちのことを思うと心配で心安らかになれません。相模原市の良心を結集して罰則付き条例の実現を期待します。(緑区在住)

◆私は相模原市在住の在日コリアン3世です。コリアンとしてのアイデンティティを持って生きていって欲しいと思い、子どもを民族学校に送っています。また、この子たちは「差別」を知ることなく育って欲しいと願っています。しかし子どもたちがいつネットにはびこる様々な「在日外国人ヘイト」を目にするかと、不安でなりません。
 昨年の統一地方選挙において、日本第一党から3名も立候補していることをその「選挙演説」を耳にし、知りました。そして聞くに耐えない「差別的なことばの羅列」を聞くために足を止め、聞き入り、時には拍手まで送る、きっと私の近所に住んでいるであろう、相模原市民や町田市民の方たちの姿を見て、衝撃を隠せませんでした。
 相模原市がグローバルシティとして発展していく上で、必ずヘイトスピーチに対する規制と罰則を課す条例を成立させていただきたいです。(南区在住)

ヘイトスピーチを止めよう!

 「ヘイトスピーチ」とは、単なる罵倒や乱暴な表現ではありません。人種や民族、性的指向、障がいといった変更困難な属性を基に、排除・侮辱・脅迫などを扇動する《 差別 》です。このような行為を放置することは、社会に差別や暴力を蔓延させることを意味します。それは究極的には虐殺(ジェノサイド)や戦争へと繋がります。
 「極端な時代」とも呼ばれた20世紀、それは差別と迫害の時代でした。ナチスのホロコーストやルワンダの虐殺、そして関東大震災における朝鮮人への虐殺行為……。差別は社会を破壊します。
 人種差別撤廃条約をはじめ、国際人権法ではヘイトスピーチへの法的な規制が求められています。実際にヨーロッパなどの諸外国においては「犯罪」として扱われているのです。
 日本では「表現の自由」の侵害が問われ、ヘイトスピーチの規制に反対する声もあります。しかし、人種差別撤廃条約やヨーロッパにおける議論は、規制することで「表現の自由」が守られるという考えに立っています。他者の人格を否定し攻撃する差別表現の自由は認められません。問われるものは「表現の責任」です。
 2021年、相模原市はオリンピック競技の開催会場に選ばれています。相模原をグローバルスタンダードな街にするためにも、ヘイトスピーチを止める実効性を持った条例が必要です。「差別を許さない」と表明するだけでは足りません。求められるのは「差別を止める」という具体的な行為です。

現在、相模原市に条例の制定を求める署名を集めています。インターネットでも署名をすることができます。「Change.org反差別相模原市民ネットワーク」で検索し、Change.orgの画面から署名をお願いします! ★右のQRコードからでも署名できます。

                          

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